いわゆる「10円はげ」と言われる病気です。頭髪に産生にかかわる毛包と呼ばれる部位が、リンパ球と言う血液中の細胞の一種に攻撃されるためにひきおこされると考えられています。いわゆる「自己免疫」が生じている状態です。原因は明確にはわかっていませんが、遺伝の関与がある場合もあります。 アトピー皮膚炎、甲状腺機能異常、尋常性白斑を合併することがあります。重症化した患者さんの中には、多くの頭髪、全身の毛が失われるケースもあります。
診断
光をあてて拡大鏡で観察する「ダーモスコピー検査」は診断に有用です。急速に進行している場合には、脱毛していない部位の頭髪を軽い力で引っ張ると抜けるという「牽引試験」が陽性になります。
治療
病気の原因である自己免疫を抑制するため、脱毛班が小さい場合は主にステロイドの外用剤と、セファランチンやグリチロンなの内服薬が使用されます。免疫細胞を正常化する紫外線照射(ナローバンドUVB)や、エキシマライト照射を行うこともあります。重症例ではステロイド剤の局注を行うこともあります。急速に進行する患者様、難治の患者様は、大学病院などの高次の施設を紹介させていただきます。
円形脱毛症は多くは正しい治療で治癒することが多いです。心の負担にならないよう日々の生活を送ってください。生活は普段道理でかまいません。