どんな病気?
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、その名前の通り、掌蹠(手のひら・足の裏)に膿疱(膿の貯留した白色の小さな水ぶくれ)ができる皮膚の慢性的な病気です。特に手のひらでは親指と小指の付け根、足の裏では土踏まずに症状が現れるのが特徴的です。症状には膿疱、小水疱(小さな水ぶくれ)、痂皮(かさぶた)が見られます。掌蹠膿疱症は、扁桃炎や歯性感染症、副鼻腔炎などの皮膚以外の慢性的な感染症、喫煙習慣、腸管の病気などが悪化因子になることがあります。掌蹠膿疱症には特に胸鎖関節炎(胸部にある胸骨と鎖骨の間の関節の炎症)などの関節炎を伴うことがあります。同部位の痛みがある患者さんはその旨を診察時にお伝えください。
治療法
ステロイド、ビタミンD3の外用薬
治療の基本になる対症療法です。
歯科治療
歯科の先生を受診していただき、治療すべき感染症があるかを確認していただきます。
のどの痛みや発熱を繰り返す症状があるときには、耳鼻科の先生を受診していただき、治療すべき感染症があるかを確認する場合があります。
禁煙
喫煙習慣のある患者さんには、対症療法と同時に禁煙を推奨させていただきます。
紫外線治療
手のひらと足の裏に紫外線を照射する治療を併用する場合があります。
内服
難治の場合にはビオチン(水溶性ビタミンの1種)や漢方薬などの内服を試みる場合があります。