どんな病気?

蕁麻疹は、皮膚の一部が赤く腫れて盛り上がる病気です。多くの場合、かゆみを伴います。数時間から24時間以内に症状が跡形もなく消えてしまうのが特徴です。また蕁麻疹の症状は全身の皮膚のどこにでも起こります。蕁麻疹と同じ皮膚症状は、アナフィラキシー(例えばハチ刺症など、アレルゲンへの曝露の直後から出現し、呼吸困難や腹痛などの全身の症状を伴います)や血管浮腫(口唇などの腫れが蕁麻疹よりも長時間持続します)といった全身の病気でも出現します。また運動や入浴など汗をかく状況下で、チクチクと痛みを伴う小さいぷつぷつとした形状の蕁麻疹が出現することがあり、これをコリン性蕁麻疹といいます。コリン性蕁麻疹には、時に無汗症(汗をかけなくなり、夏などに高体温を呈することがあります)を伴うため注意が必要です。特定の状況下で蕁麻疹が出現する患者さん、あるいは上記の皮膚以外の症状を伴った経験のある患者さんがおりましたら、その旨を必ずお伝えください。

治療法

特に原因のない蕁麻疹(特発性蕁麻疹)には、抗ヒスタミン薬の内服が高い効果のある場合が多いです。抗ヒスタミン薬の内服のみで難治の患者さんには、複数の抗アレルギー薬などを組み合わせて内服することがあります。また内服で難治の患者さんには、ゾレア®という皮下注射が可能な医療機関へ紹介することもあります。